Masterpieces
ローリング・ストーンズ「Beggar's Banquet」

パブリック・エナミー「It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back」

ジャクソン・ブラウン「Late For The Sky」

ブルース・スプリングスティーン「Born In The USA」


introduction


このコーナーは、meantime第7号(97年3月発行)から連載を開始したコーナーです。以下は、第7号掲載の序文です。

多分読者のみなさんの多くは、中学か高校生ぐらいのときに洋楽を聴き始め、多少金に余裕が出てくる大学時代にそれを掘り下げていった、という感じだと思う。しかし大学を出て働き始めてからは、大学時代に培った知識(?)を元に、「現状維持」していくのが精一杯だという人が少なくないと思う。つまり、洋楽を聴かなくなったわけではないけど、新譜をチェックしたり、ときどき手元にある古いものを引っぱり出して聴いてみる程度で、あるジャンルを掘り下げてずっと歴史を遡って聴いていってみようとか、今まで聴いたことのない分野を開拓してみよう、とかいうバイタリティに溢れた人はなかなかいないと思う。 いや別にそういう人がいいとか悪いとか言うつもりは全然なくって、自分も実はそうなんじゃないかと危惧している。このところ新しいもののチェックにばかり追われてて、旧作なんてたまたま中古で安く見つけたとき以外は全然買ってなかったもの。もちろんその最大の要因は時間的な制約なんだけど、ただ単に「きっかけ」がなかったからだという気もする。

ちょうど私の年代の人は、大学生の頃が旧作品のCD化がいちばん進んでいる時期だった。KinksとかDavid BowieとかCD化が比較的遅れていた人のオリジナルアルバムが、ついに全作品CD化!とくれば、やっぱり聴いてみようという気を起こすきっかけになるし、全曲リマスターの上値下げして、おまけに未発表ボーナストラックもつけて再発!とかやられれば、既にLPで持っている人でも買い換える(そして改めて聴いてみる)いいきっかけになっただろう。私が大学生の頃は、そうやって過去の作品に目を向けるきっかけがそこらじゅうに転がっていた。

しかし今は案外難しいかもしれない。一通り過去のメジャーな作品はCD化され尽くしたから、何でも手に入れようと思えば手に入るのだが、逆に何から手をつけるべきかわからない状態に陥るだろう。かえって5年前みたいに、Who再発!次はBowie、その次はBeach Boysだ!とレコード会社が煽ってくれた方が色々聴く気になって良かったという人もいるかもしれない。

まぁそんなことで愚痴を言ってもしょうがないので、ここはひとつ「新しいもの」に志向が偏り勝ちな「meantime」で、「過去の名作」に目を向けるコーナーをつくろうと思い立ったわけだ。で、これは、何というのか、これまで何十年に渡って何万ものミュージシャンたちが積み上げてきた膨大な遺産への、「入り口」になるものにしたい。

たとえば、あなたがFleetwood Macの「噂」を聴いたことがなかったとする(←別に今回「噂」を取り上げるわけじゃないんだけど)。たぶん今後もうMacが(現役バンドとして)売れることはないだろうし、こういうタイプの音楽が流行することもないだろうし、今後もう「聴こう」という気にさせるきっかけがほとんど起こり得ないんじゃないか、と思う。だからこのコーナーで取り上げることで、「そういえばこれ聴いたことないなぁ、聴いてみるか」という気になってもらえれば、と思う。

(以上、真貝 kaz@meantime-jp.com)

ローリング・ストーンズ「Beggar's Banquet」

パブリック・エナミー「It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back」

ジャクソン・ブラウン「Late For The Sky」

ブルース・スプリングスティーン「Born In The USA」



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